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あの街この街~川越編~

今や年間500万人もの観光客が訪れるという、小江戸「川越」。
ここ数年ですっかり東京近郊の観光都市として浸透した「蔵造りの街」は、江戸時代には
城下町として栄え、明治期には新河岸川の舟運(しゅううん)により埼玉県一の商業都市
として繁栄しました。現在でも市内には多くの史跡や文化財が残されています。
今日は、そんな江戸の情緒を残す歴史と文化の街、川越を歩いてみましょう。

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             川越のシンボル「時の鐘」


街の中心となるのは「本川越」、「川越」、「川越市」の三つの駅の周辺です。
私はお散歩スポットへ一番アクセスのよい西武新宿線「本川越」駅から街歩きをスタート!

駅の上にはプリンスホテルがあり、商業ビル「ペペ」が隣接。
また、駅前にはスーパーの「イトーヨーカドー」があり、石畳の商店街「クレアモール」は
「川越」駅の手前まで延びています。「川越」駅周辺にも「アトレ」、「ルミネ」、「マイン」など
商業施設が充実し、観光客そして地元の人にも嬉しい買い物・飲食ゾーンとなっています。
学校が多い街なので、制服姿の学生があっちにもこっちにも。
映画「ウォーターボーイズ」のモデルになった高校も川越にあるんですよ。

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          本川越駅周辺                 商店街「クレアモール」


まず向かったのは、天台宗別格本山の寺院「中院(なかいん)」。
春にはしだれ桜、そしてツツジ、初夏には沙羅・・・と四季折々の花や木々の表情が楽しめる
お庭が有名です。
心静かに美しい紅葉を楽しみます。ひととき、しっとりとした優しい雰囲気に包まれました。

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     「中院」。 実は狭山茶発祥の地でもあります。
     島崎藤村の義母のお墓があることでも有名。


さて、中院をあとにして住宅街を歩いている時、おもしろい建物を発見しました。
よく見ると、なんと川越祭りの山車(だし)を保管しておく蔵でした。

350年の歴史がある「川越まつり」は地元の一大イベント。
毎年10月に行われ、多くの人がこの豪華絢爛な祭りを一目見ようと集まります。
それぞれの町が山車を持ち、囃子方に合わせて職人が山車を動かしますが、山車ごとに
趣向が凝らされ、徳川家康や牛若丸など歴史上の人物を題材にした人形が乗っています。
中には文化財に指定されているものもあるそうです。
普段、山車は町の宝としてこんなふうに大切に保管されているんですね。

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西小千波町の「素戔鳴尊(すさのをのみこと)」。 

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サービス精神たっぷり、窓付きのものも。   


さて、次に訪れたのは中院から程近い「喜多院(きたいん)」。
おそらく川越ではもっともメジャーな寺院でしょう。
慈覚大師が天長7年(830年)に無量寿寺を開いたのが始まりだそうです。
とりわけ寺院の一角にある「五百羅漢」は人気者。さまざまな表情の羅漢さまが楽しいです。
また、院内には当時江戸城より移築された建物(重要文化財)があり、「徳川家光誕生の間」も
現存します。

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     「喜多院」。毎年1月3日の初大師には「だるま市」が開かれます。

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     「五百羅漢」。自分や友人に似た羅漢様を探してみても面白いかも。


喜多院を出て歩き出したところで、道路沿いにちょっとレトロな香りの建物を見つけました。
なんだか懐かしい感じ・・・このお店は本屋さんとお茶屋さんでした。
う~ん、川越は蔵の街だと思っていましたが、注意深く観察していると意外にも「近代建築」と
言えそうなクラシックな洋風の建物が点在しています。
古い町屋も結構見かけるし、なんだか街歩きが楽しくなってきましたよ~!

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川越には歴史ある建物が多いのですが、「大正浪漫夢通り商店街」の裏手にひっそりと建つ
こんなものを発見しました。
松江町にある「旧川越織物市場」です。
明治43年に建築され、大正8年まで織物市場として使われていた建物ですが、織物産業が
衰退し、その後は住宅として利用されていたために奇跡的に残っていたのです。
江戸期の町屋の様式を残した長屋式の建物2棟からなり、敷地内には中庭もあります。

一時はマンション建設計画があり解体の危機に直面しましたが、保存再生運動により計画は
中止。開発業者から川越市が建物の寄贈を受け、敷地は川越市土地開発公社が買取り、
保存が確定しました。現在はさまざまなかたちで、その再生・活用の方法が探られています。

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普段は非公開。中庭は三国連太郎主演映画「無法松の一生」のロケ地にもなったそうです。


さて、そうこうしているうちに蔵造りの建物が連なる「一番街商店街」に到着!
黒漆喰の壁に瓦葺の屋根。ここは文字通り、風情のある蔵造りの町並みが美しい
観光のハイライトとも言える場所で、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
実は、この地域は『グッドデザイン賞』も受賞しているんですよ。

「蔵造り資料館」や「川越まつり会館」、「時の鐘」など、観光客が喜びそうなスポットがたくさん
集まります。ところどころに洋風の建物も見えます。
飲食店やお菓子、お土産を売るお店などが並び、ここを素通りすることは至難の業です!!

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     旧川越藩御用達。天明3年創業の「亀屋」本店。

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    大正7年建造。国の登録有形文化財です。
    現在は埼玉りそな銀行川越支店。 


そろそろお昼にしたいな~。
ということで、「時の鐘」の裏手にある「くるみ」というお店に入ってみました。
不思議なことに店内に家具や生活用品が置かれ、普通の家?みたいな雰囲気です。
席につくと、おじいちゃんが香ばしい「びわ」のお茶を出してくれました。
こちらでは、だしをとるために使う昆布以外は、すべて川越で取れた野菜・山菜だけを
使っているとのこと。肉や魚、化学調味料も一切使っていないそうです。
なんとオーガニックな!

注文した「山菜丼セット」は、すいとん&山菜丼というお店の定番メニュー。
温かいすいとん(そうめんいり)は、なんだか懐かしいお味・・・
山菜丼には、たんぽぽの花や桑の葉といった、これまであまり口にしたことのない珍しいものも
入っています。
ごはんにはくるみを擂ったものが混ぜてありました(時期により銀杏がはいることも)。

おじいちゃん曰く「年々、どんどん遠くに行かないと材料が調達できないようになっている」。
一年中自然のものを提供できるように旬の時期に収穫したものを干して保存しているそうです。
ご夫婦おふたりで、いつまでもお元気でおいしいものを作ってくださいね!
ごちそうさまでした。

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        「くるみ」の山菜丼               店頭でくるみを干していました。


このあたりは観光客も多いのですが、1,2本通りを入れば、市役所や郵便局、図書館などが
あり、生活する人にとって便利なエリアです。
そんな裏通りの住宅街で発見したのは「スカラ座」。
戦前からある老舗映画館で、川越の街中の単館としては唯一のものです。
地元の映画館としてこれからも営業し続けてほしいですね。

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本日最後に向かったのは、「菓子屋横丁」。
甘い香りが漂う横丁には、飴や駄菓子などを売る十数軒のお店が集まります。
もっとも規模が拡大した関東大震災直後は、70軒もの業者がいたそうです。

わたしが訪ねたのは平日だったせいか比較的静かでしたが、週末は観光客でごったがえす
そうです。そうでしょうね~ 手ごろな価格のお菓子といい、風情ある建物といい、昔懐かしい
雰囲気は、子供よりむしろ大人がはしゃいでしまいそう。
そして、どのお店にもあるのがいも菓子。
そうです!忘れちゃいけない川越の「いも」!サツマイモは地元川越の名産品です。
わたしもふかしたての「芋スティック」を頬張りながら、横丁をぶらぶら。。。
う~ん、楽しすぎます!

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              「菓子屋横丁」                    「芋スティック」100円


駅への帰り道、「札の辻」の交差点近くで町屋を改築した古着屋さんを発見。
150年以上前に建てられた町屋とのことで、川越の大火の際、当時の町の中心地から離れて
いたので延焼を免れたそうです。店内から中庭の井戸を見せていただきました。
まだ、こんなものが残っているんですね。

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日本橋から札の辻の交差点まで十三里。         古い町屋の中庭に井戸が・・・
『栗(九里)より(四里)うまい十三里(川越芋)』。    外側にモダンな模様がはいってました。


今日もいろんなものに出会いました。
観光地として見るべきものがたくさんあるところですが、観光用ではない普通の建物や町並み
にも私は魅力を感じました。大切に次の世代に継承してほしいです。
江戸の町屋、明治の蔵造り、そして大正モダン、昭和レトロが入り混じった不思議な空間。
文化ってすごいですね。川越は本当におもちゃ箱みたいなところです。

実は、今年10月に「川越ナンバー」が誕生したんですよ。
(町を走る車はまだほとんどが所沢ナンバーでしたが)
こんなことが自分の住む町に一層愛着を感じることにつながるのかもしれませんね。

・・・なんだか本当に住みたくなってしまいそうです。
また来たいノスタルジックタウン「川越」でした。


■くるみ(野草・山菜料理)
 住所:川越市幸町16-2
 TEL:049-222-4349


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